国産の上新粉・もち粉・白玉粉を使おう

  唐揚げや天ぷらなどの揚げ物、各種料理には、「米粉」が大活躍する。また、手作り和菓子の材料として、「上新粉」・「もち粉」・「白玉粉」を使うことがある。原料は何か、用途の違いはどうなのか、分かりにくいので、まとめてみた。

米粉の種類を理解すれば、上手に活用できる

 実は、どれも、米粉の一種。原料や製法が少しずつ異なるため、「上新粉」・「もち粉」・「白玉粉」として区別されている。それぞれに特性の違いがあるが、それを理解すれば、うまく利用できる。

 団子、米粉のどら焼きなど、大衆的な和菓子は自宅でも簡単に作ることができる。たとえば、「米粉と砂糖を混ぜたものを熱湯で良くこね、小さく丸め、沸騰した鍋の中に入れて、加熱を続け、浮いてからも数分ゆでるだけ」で団子になる。どの米粉を使っても大丈夫だが、触感が変わる。

 みたらし団子のタレは、「砂糖・醬油・片栗粉・水を混ぜた後に、とろみが出るまで加熱するだけ」で簡単にできる。あんこは手間がかかるが、缶詰や袋詰めで安く売っている。慣れれば、市販の団子よりも、おいしくて安い。買い置きがなくても、思い立ったら食べられる。

上新粉(じょうしんこ)

 

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上新粉」は、「うるち米(通常、食べている米)」を洗って乾燥させた後に、細かい粉にしたもの。いろいろあるが、比較的に安価であり、団子や草餅などに使われる。原料は、うるち米100%のため、もち米は入ってない。

 「製菓用米粉」という場合は、「普通より微細な粒子の上新粉」を指す。口当たりがなめらかなになるので、パンやケーキに使用する。

 「だんご粉」という場合は、「上新粉」と「もち粉」の混合。原料として、「うるち米」だけでなく、「もち米」も入っているので、上新粉よりも、もちもちしている。

もち粉(もちこ)

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 「もち粉」は、「もち米」を洗って乾燥させた後に粉にしたもの。製法は上新粉と同じだが、原料が「もち米100%」なので、水に溶くと、粘性の高いモチモチとした生地になる。大福や求肥などに使われることから、「求肥粉(ぎゅうひこ)」ともいう。 

もち(もちごめこ)


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「もち粉」は、「もち粉」と似た名前だが、大違い。 「もち米粉調製品(もち粉)」という表示には、「もち米」という文字が含まれているので、もち米の粉の仲間のように思えるが、違う。

 「もち粉」には、いろいろな種類があり、原料表示を見ないと、わからない。たとえば、市販の「切り餅」等の中には、原料として、「もち米粉調製品(もち粉)」、「もち粉、もち米のブレンド」などと、微妙な表示をしている商品もある。

 こういったケースでは、「もち粉」という名称で、「もち米の粉に加工でんぷんなどを大量に混ぜた米粉調整品」を原料の一部または全部に使用していると理解すべきだろう。

 「米粉調製品」であれば、輸入の段階で15%以上の大量の加工でんぷん等が含まれている。「米粉調整品」は、主に、タイ、アメリカ、中国等から輸入されている。  

 「米粉調整品」に大量に含まれる加工でんぷんは、米国やEUでは食品添加物として取り扱われており、健康上、いろいろ議論のある要注意の物質らしい。この点は、YouTubeでも、「偽餅」、「毒お餅」として話題になっている。

 なお、農林水産省のホームページ「米粉調製品の輸入実態とその影響」によると、「米粉調製品は、米粉に砂糖やでん粉を混入したもので、米粉の含有量が85%以下のものは、昭和37年から輸入が自由化(関税率16~28%)されている。」とのことだ。つまり、輸入の段階で「米粉の含有量が85%以下のものだけを許可している」ということだ。

 おそらく、日本産の米の生産保護のための措置だろうが、我々、消費者が「偽餅」、「毒お餅」を避けるためには、「米国やEUでは食品添加物として取り扱われている加工でんぷんが15%以上も含まれている米粉調整品を使用した切り餅かどうか」を慎重に見極めた上で、納得して購入する必要がある。

もち粉、もち米粉、米粉調整品

 本来は、原料が「もち米100%」のものを「もち粉」と言う。しかし、「もち米100%」の粉であっても、「もち粉」と表示されているとは限らない。

 なぜならば、もち米100%の粉の商品名を「もち粉」と表示している会社と、「もち粉」と表示している会社とが混在しているからだ。このため、「もち米粉」と表示してあっても、「米粉調整品」とは限らない。

 この結果、もち米の粉であっても、次の3種の商品の表示が混在して販売されている。名称だけでは区別できないので、原材料を確認しないと分からない。
 (1)原料が「もち米100%」の「米粉」を、「もち粉」と表示している
 (2)原料が「もち米100%」の「米粉」を、「もち粉」と表示している
 (3)もち米の米粉調整品を、「もち粉」と表示・併記している

 特に問題なのは、(3)だ。消費者は、「もち粉」という字句があれば、「もち米の粉なのか」と思ってしまう方が普通ではないだろうか。

 今までは、「もち粉」という名前は、「もち粉」を短縮したネーミングなのかと思っていたが、誤りだった。「米」という文字一つの有無で違う品物なのだ。しかも、「」という文字が入っている粉の方が、米粉の割合が少ないのは皮肉だ。

 非常に、まぎらわしいネーミングなので、数年の猶予期間を置いて、商品名とは別に、「法令で米粉の分類表示・原料表示を消費者に識別しやすい形で統一したらどうか」と思う。それまでの間は、消費者側で注意するしかない。

 なお、市販の餅でも、「国内産水稲もち米100%。添加物は一切入ってない。もち米と水のみでできている」という有名な商品もある。市販の餅は、値段もいろいろあるが、原料や品質もピンキリだ。

白玉粉(しらたまこ)

 

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 水に浸した「もち米」に水を加えながら臼でひき、沈殿物を乾燥させて粉にしたもの。薄く伸びるので、あんこを包みやすい。冷やしても固くならないので、白玉団子、大福などに使われる。国産の白玉粉は、やや、高級品。

 白玉粉は、開封した時点で既に小さなダマ(粒状の粉のかたまり)になっているので、やや、水に溶けにくい感じがするが、お湯で溶いてはいけないとされている。

 お湯を使用した場合、その熱で白玉粉のダマの表面だけが先に固まってしまい、その結果、中心部に水分が浸透しなくなって、硬い粒や芯ができてしまう。舌触りが滑らかな仕上げにするためには、何回かに分けて、様子を見ながら少しずつ「水」を入れ、よく練って使用する。

国産の米粉を利用しよう

 米粉は、もちもちとした食感に加え、グルテンが入っていないことから、小麦アレルギーの人も心配が無い。また、料理にも利用できる。たとえば、米粉を天ぷらや唐揚げの衣に使うと、カリっとして食感を変えられる。

 他にも、検索すれば、米粉を使った各種レシピは大量に出てくる。最近は、パンやケーキ、唐揚げなどにも米粉の用途が広がっている。我が国の米の自給率を守るためにも、国産の米粉を、どんどん使いたいものだ。

まとめ

 〇 「上新粉」・・・「うるち米(ふだん食べている米)100%」の粉
   「製菓用米粉」・・・ごく細かい「上新粉」
   「だんご粉」・・・「上新粉」と「もち粉」の混合

 〇 「もち粉」・・・「もち米100%」の粉
   「もち米粉」・・・「もち米100%」もあるが、「米粉調整品」もある
   「米粉調整品」・・・米以外の添加物を15%以上含む粉

 〇 「白玉粉」・・・水を加えながら、もち米をすりつぶし、沈殿物を乾燥した粉


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